
「シン・ウルトラマン」庵野秀幸らの伝説の自主制作映画、DAICON FILM「帰ってきたウルトラマン」とは?
映画『シン・ウルトラマン』の製作発表で注目を集めている庵野秀幸氏。若かりし頃の自主制作フィルム『帰ってきたウルトラマン』も改めて話題になっています。DAICON FILM版ウルトラマンとは何なのか? DVDソフト化やフィギュア商品化も含めて振り返りました。
「シン・ウルトラマン」庵野秀幸の自主制作版ウルトラマンとは?
1966年に誕生した特撮テレビドラマ『ウルトラマン』を現代社会に登場させる映画『シン・ウルトラマン』が2021年に公開されることが決定した。企画・脚本を庵野秀明氏、監督を樋口真嗣氏が務め、『シン・ゴジラ』(2016)を大ヒットに導いた盟友タッグが再び手を組んだ。
出典:映画「シン・ウルトラマン」庵野秀明脚本・樋口真嗣監督で2021年公開決定! シン・ゴジラ続編説や「ウルトラマン n/a」との関係は | 特撮ヒーローインフォ
DAICON FILM 幻の自主制作!「帰ってきたウルトラマン」とは

80年代オタク集団が本気を注いだ映像作品
話題の自主制作版ウルトラマン、正式タイトル『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』とは、1980年代前期に活躍したSFオタク集団「DAICON FILM」による28分の8ミリフィルム映画。
1983年の日本SF大会で上映され、「愛國戰隊大日本」など他のDAICON FILM作品とともにマニア雑誌などで取り上げられて、その筋では有名な作品となりました。
制作には、当時大阪芸術大学に在学していた庵野氏をはじめ、後にイラストレーターとして活躍する赤井孝美氏、日本のオタクを代表する論客として知られる岡田斗司夫氏など、錚々たるメンバーが名を連ねていました。
ちなみに「DAICON」とは大根のことではなく、大阪で開催されるSF大会のコンベンションなので「大コン」、その上映作品を制作する集団なので「DAICON FILM」という命名経緯です。
『帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』(かえってきたウルトラマン マットアロー1ごうはっしんめいれい)は、1983年(昭和58年)に製作された8ミリフィルムによる特撮自主制作映画作品である。
DAICON FILM製作作品。上映時間は約28分。1983年に開催された日本SF大会「DAICON4」のプロモーション活動の一環として製作された。
総監督・主演(ウルトラマン役)は庵野秀明。特技監督は赤井孝美。なお、庵野秀明は、本作品の完成直前に監督を解任され、最終的に特技監督の赤井孝美が監督を引き継いで本作を完成させた。また、岡田斗司夫が脚本を担当し、武田康廣と澤村武伺がプロデューサーを務めた。
基本的には、本家の円谷プロ版の『帰ってきたウルトラマン』の主役ヒーロー・ウルトラマンジャックのパロディであるが、ウルトラマンへの変身シーンは、ウルトラセブンの変身パターン(ウルトラアイを装着して変身する)+ウルトラマンジャック(ならびに、初代ウルトラマン)の変身パターン(巨大化変身シーンの映像)の複合バージョンである。変身の際には、MAT基地の建物を破壊して巨大化した。
変身後も(ウルトラマン役の庵野秀明の)顔出し。 庵野の私物の黒ぶちメガネ、ウルトラマンジャックの体の模様をスプレーで塗ってペイントしたウィンドブレーカーにジーンズ、スニーカーに軍手姿。
変身後の掛け声は初代ウルトラマン(中曽根雅夫)の流用。
カラータイマーは爪楊枝入れの容器の蓋の改造で、ウルトラブレスレットは、庵野の私物の腕時計。
庵野さん自身も1997年に出版された「庵野秀明 パラノ・エヴァンゲリオン」(太田出版)の中で、この映画を「あれは原点です」と振り返った上で、自身がウルトラマンを演じたことを「気持ち良かったですよ。昔からの夢でしたから」と語っている。
朝日新聞社の小原篤記者は連載コラム「アニマゲ丼」の中で、この映画を見た感想を以下のように書いている。
「大まじめにバカをやる若者の特権を視覚化し、わきあがる情熱と才能を『無駄使い』の方向へ暴走させたこんな規格外の熱いフィルムは、手軽で便利な映像ツールがいろいろできた現在ではもう生まれないでしょう」
DAICON FILM - 帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令 - YouTube
出典:YouTube
DAICON FILM「帰ってきたウルトラマン」本編動画
出典:DAICON FILM - 帰ってきたウルトラマン メイキング映像 - YouTube
DVDソフト化、フィギュア化、郷秀樹役・団時朗との対談も
2001年には円谷公認でガイナックスからDVD販売
本作品を製作したDAICON FILMが、のちにアニメ制作会社のガイナックスとなり、製作・出演陣の大半もプロの映像作家となったことから、2001年にガイナックスがDVDソフト化し、本来のタイトルで、通信販売のみの形により期間限定で販売したが、2004年に販売を終了している(これ以降のメディアソフトは全て円谷プロと円谷ミュージックの許諾を受けている)。
監督を担当した庵野秀明が特撮・実写絡みの大きな仕事をする際に、その宣伝的な意味を込め、本作を収録したディスクメディアが何らかの形で販売されることがある。
2016年、庵野が総監督を担当する特撮映画『シン・ゴジラ』公開に合わせ同年7月20日に発売される「庵野秀明 実写映画作品集 1998-2004」Blu-ray BOXの特典映像の一つとして、本作も収録。ボーナストラック扱いではあるが一般流通ルートで初めて販売される事になった。
メディコム・トイからフィギュア化も
WF2006(冬)開催記念限定商品
「マットアロー1号発進命令」
ダイコンフィルム版、帰りマン!!
堂々完成!!
WF2006(冬)開催記念限定
2006年2月19日発売予定
リアルアクションヒーローズ No.264
帰ってきたウルトラマン DAICONFILM Ver.
頒布価格¥13,000(税込)
アマチュアの域を超えた完成度の高い自主制作フィルムとして名高い『DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン』より、総監督・庵野秀明氏自らが演じたウルトラマンのソフビ人形が登場です!
2018年10月30日(火)から11月5日(月)まで、西武渋谷店 B館5階=プロモーションスペースで開催される「WE LOVE ULTRAMAN POP UP STORE」会場にて2018年11月3日(土)より発売される商品です。当商品は西武・そごうのショッピングサイト「e.デパート」でも販売となります。
庵野秀幸と団時朗、二人の帰りマンの対談も
特撮ドラマ「帰ってきたウルトラマン」に主演した俳優の団時朗、「エヴァンゲリオン」シリーズの庵野秀明監督、落語家の柳家喬太郎が、今月(2013年12月)8日からWOWOWで放送されるミニ番組収録に参加し、「帰ってきたウルトラマン」の魅力を語り合った。
(略)
かつて『DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン』という8ミリ映画を自主制作したこともある庵野監督は、劇中でウルトラマンを演じたことも今では語り草。くしくも二大ウルトラ俳優(?)がそろうことになったが、庵野監督は「いやいや、そんなの団さんに失礼ですよ。お恥ずかしい」と恐縮することしきり。一方の団は「今度観てみます」と興味深々だった。
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2019年8月1日に映画『シン・ウルトラマン』の製作発表があり、特撮ファンのみならず一般層からも注目を集めている庵野秀幸氏。
大のウルトラマン・マニアとして知られる庵野氏の、若かりし頃の自主制作フィルム『帰ってきたウルトラマン』も、改めて話題になっています。
DAICON FILM版ウルトラマンとは何なのか? その概要を振り返りましょう。