2019年7月26日にいよいよ公開された「仮面ライダージオウ」劇場版「Over Quartzer（オーヴァー・クォーツァー）」。
平成ライダー20年の締めくくりとなる一作として、多くのゲストライダーのサプライズ登場が話題になっています。
本記事では、この映画に登場したゲストライダーの詳細を解説しています。

※映画のネタバレを含みますので、未見の方はご注意下さい。

映画中盤、常磐ソウゴがクォーツァーに囚われたシーンで隣の牢屋に居たのは、とんねるずの木梨憲武演じる「木梨猛（きなし・たけし）」。
初代仮面ライダーのパロディヒーロー「仮面ノリダー」に変身していた人物です。
今回の映画では、仮面ノリダーに変身はしないものの、ライダーとしての自信を失ったソウゴに熱いエールを送りました。

彼がソウゴに語った「自分は仮面ライダーに選ばれなかった」「ずっとここ（牢屋）にいる」という旨の発言は、仮面ノリダーが東映非公認のパロディであり、権利関係の複雑さから現在では実質「封印」された作品となっていることのメタフィクションでしょう。

「仮面ノリダー」は、昭和の終わりから平成の初めにかけて、バラエティ番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」の中で放送されていたパロディドラマ。
「仮面ライダーBLACK RX」と同時期に放送され、当時の子供達には大変な人気がありましたが、東映側は当初こうしたパロディを快く思っておらず、その関係もあって現在まで円盤化はされていません。

終盤、平成ライダーが溢れ出したシーンで最初に映ったゲストライダーは、有料動画配信サイト「東映特撮ファンクラブ」の限定作品「ドライブサーガ 仮面ライダーブレン」（2019年4・5月公開）の仮面ライダーブレン。
このシーンは、色々な媒体のメディアミックスからゲストライダーがサプライズ登場するという趣向でした。

仮面ライダーブレンに変身するのは、「仮面ライダードライブ」の敵幹部の一人、頭脳派のブレン。
今回のジオウ劇場版には変身前は登場しませんでしたが、声は本人であり、「ライダー毒手」という特徴的な技で戦っていました。

仮面ライダーブレンは、プレミアムバンダイの限定品としてフィギュアーツ化されています。専用武器のサングラスラッシャー……もとい「ブレンメガネブレード」も付属。
2019年8月21日まで予約を受け付けています。

ジオウ劇場版終盤のシーンには、2019年3月上演の舞台「仮面ライダー斬月 －鎧武外伝－」より、呉島貴虎が変身する仮面ライダー斬月カチドキアームズも登場。
テレビや映画等には登場しなかった、舞台版のみの変身形態です。

ジオウ劇場版で斬月カチドキアームズが現れるシーンには、劇中世界における舞台版斬月のチラシが映り込んでいました（※この画像は現実世界のチラシ）。

劇中のチラシでは、公演の行われる場所が風都と沢芽市になっており、メタフィクションではなくあの世界でも舞台斬月が上演されていたことがわかります。アーマードライダーの活躍は「鎧武」劇中でも人々に知られていましたから、なんだかんだあって舞台化されていたのでしょう。

仮面ライダー斬月カチドキアームズも、プレミアムバンダイ限定でフィギュアーツ化されていますが、こちらは6月に受注を〆切っています。

初代仮面ライダーとゴレンジャーをかけ合わせたような5人の戦士は、2017年にauビデオパス限定で配信された作品「仮面戦隊ゴライダー」のゴライダー。
アカライダー、アオライダー、キライダー、モモライダー、ミドライダーの5人からなるチームです。
同時期に公開の春映画「仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦」にも同じ姿のゴライダーが登場していましたが、それぞれ変身者が異なっています。

ビデオパスの「仮面戦隊ゴライダー」に登場したゴライダーは、バロン、ブレイド、アナザーアギト、レーザー、マリカの5人が変身。
「超スーパーヒーロー大戦」のゴライダーは、エグゼイド、アオニンジャー、ビートバスター、ゾルダ、電王ソードフォーム（声は勿論モモタロス）が変身していました。
ジオウ劇場版に登場したゴライダーは、モモライダーの声が女性だったので、前者の方でしょう。

今回のジオウ劇場版へのゲスト出演で、恐らく最もファンを驚かせたのは、2009年のテレビ朝日「50時間テレビ」内のSMAPコーナーで登場した幻のライダー、仮面ライダーG。
東映と石森プロの全面協力により、SMAP（当時）の稲垣吾郎が仮面ライダーとして活躍する姿を描いた幻の短編作品であり、権利関係の難しさからこれまでDVDなどのメディア化はなく、関連書籍への収録もほとんど見送られていました。

ジオウ劇場版には、稲垣吾郎本人は残念ながら出演しなかったものの、仮面ライダーGが公式に仮面ライダーシリーズの映画に登場したことにより、今後は関連書籍などへの収録も容易になるものと考えられます。

ジオウ劇場版には、2014年から連載されている漫画版「仮面ライダークウガ」のクウガも登場。
漫画からそのまま切り取ったような白黒の絵が、台詞のフキダシ付きで動いて戦うというもので、大いにファンを驚愕させました。

漫画版クウガの主人公である五代雄介は、オダギリジョー演じる原作の五代雄介と名前こそ同じですが、見た目のイメージや性格、行動などが大きく原作とは異なっています。
ジオウ劇場版で実写のクウガとは別に漫画版クウガが登場したのも、両者が別人であるためでしょう。

同じ漫画版でも、仮面ライダーWの続編の「風都探偵」はテレビ版と同じ登場人物の活躍を描いているという名目なので、今回は登場を見送られたのでしょうか。